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残業代請求

残業代請求

このブログでは、残業代請求についての裁判例を紹介しています(つづき)。

3 争点(2)消滅時効について
 前提事実(4)及び前記認定事実(5)によれば,原告らの本件残業代にかかる未払賃金債権は,平成18年8月11日ころから遡って2年を超えるYによる賃金支給日である平成16年7月分(同年7月末日支払)までのものは消滅時効にかかっており,Yはこれを援用しているから,原告らがYに上記残業代として請求できるのは平成16年8月分以降のものに限られる。
4 争点(3)解雇予告手当について
 前記認定事実(4),アによると,X1は平成18年7月4日にYの当時代表者であった訴外丙川に同月8日付での退職を申入れ,話し合いの中で一旦は訴外丙川から慰留を申し入れられたものの,X1がこれに応じず,訴外丙川が明日から来なくてよい旨申し出ると,X1が翌日から出勤しなかったこと,その後同原告から出勤の意思のある旨の伝達がYに対して窺われず,むしろ翌日から友人のところで働いていることからすると,平成18年7月4日に当事者間で退職の合意に達したものと解するのが相当である。
 これに反するYの対応が解雇であるとするX1の主張は採用できない。
 前記認定事実(4),イによると,X2は平成18年1月31日にYの当時代表者であった訴外丙川に給料の値上げを要求し,同人から直ぐの値上げを断られたことから,話が物別れとなり,訴外丙川から給料に不満があるのなら明日から来なくていい旨の申し出に対して,X2が翌日から出勤しなかったこと,その後同原告から出勤の意思のある旨の伝達がYに対して窺われず,むしろ上記話し合いが物別れになった当日の夜に親戚のところに電話をして,その直後である同年2月初めから当該親戚のもとで働いていることからすると,平成18年1月31日に当事者間で退職の合意に達したものと解するのが相当である。
 これに反するYの対応が解雇であるとするX2の主張は採用できない。
 したがって,原告らのYに対する解雇予告手当の請求には理由がない。
5 以上によれば,原告らのYに対する請求には上記に認定判断したように残業代の割増賃金請求には一部で理由があるものの(なお,遅延損害金につき,原告らは各賃金支払日以降の請求をするが,上記のように,原告らの残業代は各月ごとに金額を特定するような事実認定は難しく,本訴の中で事後に検討した場合に,当該勤務期間を通じて一定金額の残業代の発生を推認できるに留まるものであることからすると,本件認容金額に対するYの遅延損害金支払債務は,本訴状送達の日の翌日である平成18年12月5日以降に遅滞に陥っているものと考えるのが相当である。),その余は解雇予告手当等を含めていずれも理由がなく,また,原告らは割増賃金相当分である残業代につき付加金を請求しているところ,本件事案における当事者間の事情及び就労実態におけるYの有りように照らすと,労基法に違反したことによる制裁のためにあえて付加金を命じる必要まではないものと思料するので,以上の限度で原告らの各請求を認容し,その余は理由がないので各請求をいずれも棄却することとして,主文のとおり判決する。
なお、企業ので残業代の請求についてご相談があれば、顧問弁護士にご確認ください。そのほか、個人の方で、不当解雇保険会社との交通事故の示談・慰謝料の交渉オフィスや店舗の敷金返還請求(原状回復義務)多重債務(借金)の返済遺言・相続の問題知人や親類の逮捕などの刑事事件などでお困りの方は、弁護士にご相談ください。


# by zangyoudai-seikyu | 2011-02-01 19:30 | 残業代請求